月刊アイワホーム9月号/「柱のキズは家族の記憶!残したい気持ちを叶えます!」と「NTTの失敗を腕の良いクレーンオペレーターが帳消しに!」のお話
若水町で新しくK様邸の家づくりが始まりました。古家付きの土地を契約後、売主が解体して 新しい家を建てるのですが、売主さんから、背比べしたキズ跡の残る居間の柱を持ち出せないか、というご相談がありました。もちろん快諾いたしました。下の写真がその柱です。上下に貼ったガムテープの間に、思い出のキズがたくさん残っています。
今回のように前のオーナーさんから依頼されるケースはまれですが、建替えを行う際に、背比べの跡が残る柱を、新しい家のどこかに使いたい、というご要望はたまにあります。構造材として再利用するのは難しいので、リビングや廊下の飾り柱として使ったりします。ご主人の書斎や、トイレの中に設置したこともあります。
定期点検やリフォームなどで、OBのお客様のお宅に伺うと、たまに背比べのキズ跡を見かけることがあります。そういうのを見ると、一生懸命に建てた家が、ご家族の思い出の入れ物になっているような気がして、とてもうれしい気持ちになります。
ただいま家づくり進行中!のコーナー
◎坂井町・W様邸(平屋建て)
今年3月に始まったW様邸の家づくりが無事に終わりました。下の写真は完成したW様邸の外観です。
天井の化粧梁がアクセントになっているLDKです。
アクセントウォールを配した落ち着いた印象の主寝室。
リビングの横に配置した収納庫。
◎寿町・Y様邸(2階建て注文住宅)
寿町のY様邸がほぼ完成いたしました。2種類のサイディング材とブラウンの玄関扉を組み合わせた、上品な印象の外観がY様邸の特徴です。
キッチンからみたリビングです。天井からダウンライト用の電線が垂れ下がっていますが、このダウンライトの設置が、Y様邸の仕上げの工事になります。
クローゼットです。ふとんを収納する台が欲しいということで、ふとん用の収納ラックをクローゼットの中に造作しました。サイズは、Y様と相談の上、決めています。
◎大生院・O様邸(ラ・クーヤBD)
前回上棟の様子を紹介したO様邸。家づくりは順調に進んでいます。下の写真は8月17日のO様邸の様子。発泡ウレタンフォームの吹き付け断熱工事が完了しています。天井部分を見てください。これでもかっというぐらいに、たっぷり吹き付けるのがアイワホームの流儀です。
同じ日に撮った外観の様子です。アルミ遮熱シートと胴縁の施工が終わっています。胴縁と胴縁の間が通気層になって、壁の中の結露(壁体内結露といいます)を防ぎます。
◎岸の上町・W様邸(平屋建て)
外壁工事が終わり、足場が外れました。黒の外壁材とブラウンの破風板(はふいた)を組み合わせた高級感のある和モダンスタイルの外観です。晴れた日に撮るともっとカッコ良いのですが、この日は残念ながら曇り空でした。
もう一枚、反対側から撮影したW様邸の写真です。こういう形状の屋根のことを段違い片流れ屋根と言います(招き屋根や差しかけ屋根という言い方もします)。天井が高くとれるので、室内空間が広くなるメリットがあります。W様邸は重なり合う屋根の上側の勾配を、リビングの勾配天井として利用しています。リゾートホテルのロビーのような明るくて開放的なLDKができあがる予定です。
家の中では、壁紙(クロス)工事の下処理が始まっています。下地材の継ぎ目と釘の頭にパテ処理を行っています。
勾配天井に壁紙を施工するために内部足場を組みました。写真に写っている職人さんはクロス職人さんではなく、塗装屋さんです。あらわしにした梁にクリア塗装を施しています。
造作した洗面化粧台も搬入されてきました。アイアンのタオル掛けがステキです。こういうブルックリンスタイルというか、アンティーク風の造作家具が最近人気です。
◎田の上・Y様邸(ラ・クーヤ)
前回上棟から断熱工事の様子まで駆け足で紹介したY様邸。工事は順調に進んでいます。
まずは外壁工事の様子から。サイディングの施工が途中まで進んでいます。
屋内の大工工事も急ピッチかつ丁寧に進んでいます。下の写真はダイニングキッチンのある1階から、半地下リビング方向を撮影しています。半地下リビングの入口の上にあるすべり出し窓は中2階の足元にあり、のぞき込むとキッチンにいるママやパパが見えます。空間が途切れずに、家族の気配を常に感じとれるのが、スキップ構造の家の良いところです。
こちらは階段下のスペースを有効利用した半地下の納戸スペースです。いろんなモノが、たくさん入ります。
◎多喜浜・T様邸(平屋建て)
下の写真は、8月23日に行った土台敷きの様子です。ウッドショックの影響で土台用の木材が不足&高騰していますが、ちゃんといつも通りの桧を使っています。桧は、桧風呂に使われるように耐水性が高く、同時にシロアリに強いという特長があります。
8月30日、上棟を行いました。下の写真は10時34分のT様邸。すでに平屋建ての構造体は組み上がり、天井裏のアルミ遮熱シートの施工が始まっています。
11時31分。アルミ遮熱シートの施工が終わり、小屋束(こやづか)や母屋(もや)などの、屋根組みが進んでいます。
勾配天井を作る場所には天井板がありません。職人さんが落ちないように落下防止用のネットを張るようにしています。大工さんはまず落ちることはないのですが、上棟は、大工さんだけではなく、電気工事の職人さんや、プレカット会社のスタッフなど、普段屋根の上に登ることの少ない面々の手も借りて行います。そういった人のために、保険としてひと手間かけて張るようにしています。
16時14分。無事に上棟が終わりました。
[おまけ話]
T様邸の上棟に際して、敷地のすぐ横に架かる電話線と電線に、クレーンで吊り上げた木材が接触する可能性があるため、事前に移動をお願いしていました。依頼先は、両方ともNTTです。
というのも、電話線と電線が架かっている電柱の持ち主がNTTで、四国電力はNTTの電柱を借りて電線を架けているからです。この場合、電線の移動の窓口もNTTになります。逆に四国電力の電柱をNTTが借りているケースもあります。その場合は、四国電力が窓口になります。電柱の持ち主が誰かは、電柱に貼られているステッカーをみればわかるようになっています。
上の写真は、上棟の日に撮影したものです。黄色い矢印が四国電力の電線で、赤い矢印がNTTの電話線です。なんと、NTT経由で連絡の行った四国電力はちゃんと電線を道路側に移動してくれていたのですが、NTTの電話線の方は、社内での連絡がうまくいかなかったらしく、そのままの状態でした。
上棟の前日、現地を見に行って、「え~っ!」と焦りましたが、腕の立つクレーンオペレーターを手配して、事なきを得ました。下手なオペレーターしかいなかったら、上棟中止になる可能性もありました。家を建てていると、いろんなことがあります。
◎宇高町・N様邸(平屋建て)
8月24日。基礎工事が終わりました。アイワホーム仕様の、頑丈でアンカーボルトいっぱいの基礎ができあがりました。(基礎からニョキニョキ出ている金具がアンカーボルトです)
アンカーボルトは、建物の基礎と土台を緊結するための金具で、このアンカーボルトをアイワホームでは、たくさん入れるようにしています。たくさん入れる目的のひとつは、耐震性を高めること。もうひとつは、土台の反りやねじれを防ぎ、サッシ窓や建具の開け閉めが重くなることを避けるためです。
建物の土台は木材なので、乾燥や湿気により、どうしても反ったりねじれたりします。そのちょっとした反りやねじれが原因で、サッシ窓の開け閉めが重くなったり、建具の開閉がキツくなったりするので、そういったことを防ぐために、掃出し窓を入れる場所の下、それと土台の下があく人通口の両端にアンカーボルトを追加で入れるようにしています。(やみくもに数だけ増やしているわけではありません)
◎西蓮寺・F様邸(2階建て)
F様邸の造成工事が終わりました。F様邸の造成工事は、土砂の流失や崩落を防ぐための造成ではなく、土地を分筆するための造成工事です。
反対方向からの写真も載せておきます。車の止まっている敷地が、F様邸の建築予定地です。手前が奥のご親族の家につながる専用通路になります。
◎若水町・K様邸(平屋建て)
若水町でK様邸の家づくりが始まりました。古家付きの土地を買われて、そこに新しく家を建てます。現在、古家解体中です。(お気付きかと思いますが、冒頭の背比べのエピソードは、こちらのK様邸でのお話しです)
アイワホームの近況コーナー
◎岸の近況報告
今月は久しぶりにおすすめの本を紹介したいと思います。明治以降、500社以上の会社の創立に関わり、日本資本主義の父と呼ばれる渋沢栄一氏の書いた「論語と算盤(そろばん)」です。私はこの本というか、彼の「ビジネスには道徳が必要だ!」という考え方が大好きで、家づくりの仕事も、そのように実践しているつもりです。
渋沢栄一氏については、2024年からの新一万円札の肖像に選ばれたり、NHKの大河ドラマ「青天を衝け」の主人公に選ばれたり、空前の渋沢栄一ブームが巻き起こっているので、あらためて説明するのは気が引けますが、簡単に説明しておくと、第一国立銀行(現在:みずほ銀行)、日本鉄道(現在:JR東日本)、帝国ホテル、東京瓦斯会社(現在:東京ガス)、大阪紡績株式会社(現在:東洋紡)、東京綿商社(現在:カネボウ化粧品)、ジャパン・ツーリスト・ビューロー(現在:JTB)、清水組(現在:清水建設株式会社)、日本放送協会(現在:NHK)など名だたる企業の創立に関わった実業家で、アメリカの経営学者ピーター・ドラッカーも「20世紀に日本は経済大国として興隆したが、それは渋沢栄一の思想と業績によるところが大きい」と評価しています。
「論語と算盤」は、100年以上前に書かれた本ですが、今も数多くの経営者や起業家に読み継がれています。以下、「論語と算盤」に書いてある内容をほんの少しだけ紹介しておきます。面白そうと思われたら、ぜひ読んでみてください。絶対に損はないと思います。
–自分の利益が欲しいという気持ちで働くのが、世間一般の姿である。だが、経済活動は社会のためになる道徳に基づかないと長く続かない。個人の利益と道徳がバランスよく並び立ってこそ、国家も健全に成長し、個人も富を築ける。–
–成功や失敗というのは、心を込めて努力した人の身体に残るカスのようなものだ。成功や失敗という価値観から脱して、正しい行為の道筋に沿って行動し続けるなら、成功や失敗などとはレベルの違う、価値ある生涯を送ることができる。–
◎髙瀨の近況報告
8月と9月に3件の一年点検があったのですが、たまたま3件とも小さなお子さまのいるご家族で、ひさしぶりに会う彼・彼女たちの成長にびっくりさせられました。
T様のお子さまは、お引き渡しの時、ちょうど生まれたばかりだったのですが、1歳になり、つかまり立ちができるようになっていました。N様の場合は、おなかの中に赤ちゃんがいる状態でのお引き渡しだったのですが、かわいらしい赤ちゃんが生まれていて、そのお姉さんも1歳から2歳になり、いろんなお話をしてくれるようになりました。M様邸のふたりのお子さまは、上の女の子は買ったばかりのランドセルをわざわざ見せてくれて、下の男の子は2歳から3歳になり、赤ちゃんから凛々しい男の子に成長していました。
わずか1年の間に、小さなこどもたちは、できなかったことがどんどんできるようになっていきます。私も1年にひとつぐらいは、新しくできることを増やしていきたいと思います。
(続く)