月刊アイワホーム9月号/「名付けて『史上最大の作戦』。K様邸の上棟レポート」と「テレビドラマの劇場版に名作なし!」と「どこにでもある下請けいじめ」のお話
下の写真は、先月8日に撮影したものです。青い空に白い雲。暑中お見舞い申し上げます、といった雰囲気ですが、これはべつに夏空がきれいだったから撮ったからではありません。
この写真は、河内町K様邸の前面道路に架かる配電線を撮ったものです。上棟時の感電防止のために、四国電力送配電株式会社に絶縁カバー(保護管)の取り付けを依頼していたのですが、作業完了の連絡をもらったので、その現況確認に行ったときの一枚です。
下の資料は、四国電力送配電株式会社から、見積もりといっしょにもらったものです。絶縁カバーの取り付けが必要な範囲が書かれていて、全部で4条(条=ひと束という意味)の配電線にたいして、間口9メートル分の施工が必要ですよ、という内容になっています。
ちなみに、この絶縁カバーの取り付け費用、いくらぐらいだと思いますか?答えは8万8000円です。高所作業車を使用して絶縁カバーを取り付け、建物が完成したら、再度高所作業車を用いて取り外す、という工程です。安くはないけど、高くもない。絶妙な価格設定だと、つい感心してしまいます。
さて、この絶縁カバーの取り付けですが、数年前―2020年3月末までは無料でした。そうした背景もあってか、取り付けをサボる建築会社がチラホラあります。
絶縁カバーの取り付けは労働安全衛生法で義務づけられていて、さらに「高圧線の1.2メートル以内にクレーンが入る場合には必ず取り付ける」という行政通達もあります。ところが、その判断を行うのは建築会社です。そのため「ギリギリ1.2メートル離れているから問題ないだろう」とか、「熟練のクレーンオペレーターならちゃんと距離をあけて作業できるはず」といった甘い判断がまかり通ってしまうのです。
当社はどうかというと、かなり真面目に、国の言いつけを守って取り付けています。そのため、クレーン会社の担当者が安心されます。「電線に緩衝しないで作業できるでしょう」と言って、取り付けてくれない会社も多いそうです。これもひとつの下請けいじめだと思います。そういうものは本当になくなってほしいと思います。
ただいま家づくり進行中!のコーナー
◎政枝町・Y様邸(平屋建て)
前回のブログで完成写真を紹介したY様邸ですが、家の正面の写真が逆光で分かりにくかったため、あらためて撮り直してきました。グレーとブラウンを組み合わせた落ち着いた印象の外観です。
ついでと言っては何ですが、Y様邸に取り付けたちょっと便利な住宅設備についても紹介しておきます。
矢印で示した丸い機械は、パナソニックの天井埋込式ナノイー発生機です。オープンタイプのシューズクロークを採用されたり、ペットを飼われているご家庭で、臭い対策として採用されるケースが最近増えてきています。ナノイー技術は臭い対策としてかなり効果があるようで、テレビで焼肉の臭いを付着させた服が一瞬で無臭になる実験を見た記憶があります。シューズクロークにナノイー、検討の価値がある設備だと思います。
もうひとつは、タカラスタンダードのマグネットウォール(ホーロー製の壁パネル)です。Y様邸ではキッチン横に設置しています。学校からの手紙や町内会のお知らせなどを磁石で貼り付けられるので、とても便利です。さらにY様邸では、マグネットウォール部分を凹ませてニッチのような印象に仕上げています。
◎中村・Y様邸(2階建て)
外壁工事が終わり、足場が外れました。Y様邸の特徴である大きなインナーガレージが姿を表わしました。近くで見ると、なかなか迫力のある外観です。
ガレージの反対側の写真です。縦長の敷地のため、こちら側にも広めの庭があります。打ち合わせの際には「将来、ドッグランでも作ろうかな」とおっしゃっていました(冗談かもしれません)。
家の中では着々と大工工事が進んでいます。下の写真は玄関の土間収納です。
こちらは2階の主寝室。ベッドの高さに合わせて、スマホなどを置くためのニッチを造作しています。
◎中村・F様邸(平屋建て)
F様邸も外壁工事が完了し、足場が外れました。下の写真は、玄関前のスロープと手すりを作っている様子です。バリアフリーの家が着々と形になりつつあります。
家の中では壁紙工事が始まっています。下の写真は、パテ処理の様子です。下地材の継ぎ目やビスの頭を丁寧に均していきます。
◎萩生旦の上・T様邸(平屋建て)
基礎工事が完成し、ひと休み中のT様邸の建築現場です。上棟は9月上旬に予定しています。
◎河内町・K様邸(ラ・クーヤING)
8月21日と22日の2日間にわたり、K様邸の上棟を行いました。正面に架かる配電線、敷地ギリギリまで迫る隣家の建物、さらに交通量の多い前面道路など、なかなか手強い立地条件です。スタッフ一同「史上最大の作戦」と名付けて、気合を入れて挑みました。
こちらはお盆休み前に撮影した基礎の様子。敷地の際まで隣家が迫っているのがわかりますでしょうか。
上棟の前々日、足場組みが始まりました。
今回採用したのは「芯掛け足場」。東京や大阪ではよく見かけますが、新居浜ではほとんど目にしないタイプです。踏み板をつないだ通路の真ん中に支柱が入るため、歩くときに支柱をよけなければならない、ちょっと不便な足場です。本来は支柱の内側に通路を作るのですが、今回は隣家との距離が狭く、通常の足場が組めないため、やむを得ず芯掛け足場を採用しました。
いよいよ上棟当日。配電線に触れないよう注意しながら、ゆっくりゆっくり、クレーン車を敷地にねじ込むように入れていきます。
交通誘導員の配置も完了。交通量の多い生活道路なので、知り合いにお願いして腕のいい誘導員を紹介してもらいました。
上棟開始です。資材を置くスペースがないため、トラックで少量ずつピストン輸送しながら進めていきます。
なんとか2階の柱立てまでたどり着きました。
その後、屋根組みへ。天気に恵まれたのは本当に助かりました。
野地板(屋根の下地材)を貼っていきます。あと少しです。
上棟初日が無事に終わりました。続きは明日です。
上棟2日目。まずは、耐力面材の施工。
さらに昨日施工した野地板の上に防水用のアスファルトルーフィング材を貼り、ようやく上棟完了です。映画「史上最大の作戦」に例えるなら、ドイツ軍の抵抗を突破し、ノルマンディー上陸完遂といったところでしょうか。いやはや、大変な上棟でした。関わってくださった職人さん、そしてスタッフ一同に心から感謝です!
アイワホームの近況コーナー
◎岸の近況報告
「テレビドラマの劇場版に名作なし!」――これは私の経験則です。「相棒 劇場版」しかり、「あぶない刑事 劇場版」しかり、「科捜研の女 劇場版」しかり。けっしてつまらないわけではないのですが、どれもテレビの2時間スペシャルで十分という感じで、わざわざ映画にするほどでもないな…と思うことが多いのです。
そんなわけで、ほとんど期待せずに見た「劇場版ドクターX」でしたが、これは例外的にものすごく面白かったです。 脚本を手がけたのは中園ミホさん。さすがだな、とあらためて感じました。
中園ミホさんは「Doctor-X 外科医・大門未知子」や「ハケンの品格」、最近ではNHKの朝ドラ「あんぱん」を執筆した脚本家です。彼女のドラマはテンポが良くて痛快。個人的に大好きで、ほとんど観ていると思います。
ちなみに「劇場版ドクターX」は、アマゾンプライムビデオで、お盆休み中の8月14日までは有料配信だったのですが、15日以降は無料で公開されています。気まぐれなアマゾンプライムビデオのことなので、いつ有料に戻るかわかりません。興味のある方は、ぜひ早めにご覧ください。
(追伸)
「岸は間違っている! このテレビドラマの劇場版はめちゃくちゃ面白かったぞ!」という作品があれば、ぜひ教えてください。面白い映画に飢えています。
◎髙瀨の近況報告
今年は、主人の母の初盆でした。初盆に合わせて、主人の親戚が東京から帰省し、我が家には合計5人が宿泊することに。
主人と二人で布団を干したり、敷布団を用意したり、タオルを揃えたり、ご飯の献立を考えたり…てんやわんやの2泊3日。まるで旅館の女将さんになったような数日間でした。(正直、もう一度は遠慮したいですが…)。
(続く)