耐震性を誤解していませんか?
熊本地震では、接合金物などの仕様が厳格化された建築基準法2000年基準の木造建築物で、大きな被害が出ました。国交省によると、益城町で7棟が倒壊、10棟が全壊しました。
複数の学識経験者への取材と現地調査から、この17棟に該当すると思われる建物について被害の原因を検証してみました。接合部が基準を満たしていない、璧量や耐力壁直下率に課題があるなど、倒壊・全壊に至った要因は複数の要素が絡み合っている可能性がありました。その中でも気になる点をご紹介したいと思います。
特に興味深かったのは、厚さ14㎜窯業系サイディングを釘留めする仕様です。これが余力として効いたようです。せん断試験では、準耐力仕様の石膏ボードとの組み合わせで、長さ1mあたり約3.5KNのせん断力が得られたそうです。一般的に 昨今はこの厚さ14㎜サイディングは粗悪品のように扱われて、替わって厚さ16㎜の引掛け金物サイディングが一般的に使用されています。しかし、今回の熊本地震では、16㎜の金物引掛けサイディングがことごとく脱落や落下した状況を見るにつけ、建築材料メーカーの思惑とは逆の結果が出たようです。
確かに、14㎜釘打ちサイディングは施工する人間の出来・不出来に左右されるのは事実ですが、耐震等級3に余力を必要とする場合は、外装材の施工方法で耐えられると云うのも不思議な結果です。
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