月刊アイワホーム5月号/「資金計画書の落とし穴・不誠実な会社を見抜く方法」と「壁紙のよじれを防ぐ見えない工夫」と「W様邸の完成レポート」のお話
ハウスメーカーや地元工務店と家づくりの打ち合わせを始めると、早い段階で「資金計画書」というものが出てくると思います。今回はこの資金計画書の落とし穴と云うと少し大げさですが、注意点について書いてみたいと思います。
資金計画書というのは、家づくりにかかるすべてのお金と自己資金、および住宅ローンで借りるお金を一枚のシートにまとめたもので、一般的には毎月の住宅ローンの返済額もわかるようになっています。これから家を建てようというお客様はこの資金計画書をじっくり見ながら、もう少し予算を抑えようとか、ローンの返済額を少し増やしてワンランク上のキッチンにしようとか、あれこれ頭を悩ませることになります。また複数の建築会社を比較検討される場合は、この資金計画書を見比べて判断されることも多いと思います。
そんな重要な資金計画書ですが、建築会社によっては記載している項目にヌケがあるので注意が必要です。お客様から他社の資金計画書を見せていただく機会も少なくないのですが、よくヌケているのが、つなぎ融資の金利支払いや不動産取得税です。借入額や住宅の大きさによって変わってきますが、多いときは20万円前後の金額になるので、あらかじめ予定しておかないと慌てることになります。
不動産取得税は家が完成して半年以上過ぎたころに納税通知書が届くので、家づくりのお金の範疇に入れるか入れないか議論の余地はあるものの、お客様の負担を考えるとちゃんと資金計画書の中に入れておくのが親切だと思います。
また、「エっ!」と驚くような金額の外構費(エクステリア工事費)が記載されていることもたまにあります。あらかじめ外構のイメージを伝えている場合はいいのですが、そうでない場合は注意が必要です。とりあえず外構分の予算を確保させておいて、最終的になんらかのオプションを提案して建築費として取り込んでしまおうという建築会社の思惑があったりします。あるいは建築費で値引きした分を外構費で取り返そうとしているのかもしれません。
現在、家づくりを検討中で手元に資金計画書がある方は、つなぎ融資の金利支払いや不動産取得税の項目があるかないかを確認して、なかった場合はなぜ記載がないか、担当者に聞いてみることをおすすめします。同時に外構費の根拠についても聞いておきましょう。その時の返答に不信感を持ったら、その会社との契約はより慎重に考えるのが良いと思います。
[補足]
自己資金が豊富にあり、つなぎ融資が不要な場合は、当たり前ですがつなぎ融資の金利支払いの項目はありません。項目はあっても0円と記載されているはずです。また住宅ローンの借入額の中につなぎ融資の金利支払い分が入っているケースもあります。「アレ?」と疑問に思ったらしっかり確認することが大切です。
ただいま家づくり進行中!のコーナー
◎喜光地町・W様邸(平屋建て)
昨年の12月から始まったW様邸の家づくり。先日無事に完成いたしましたので、完成見学会の際に撮影した写真をいくつか紹介しておきます。
まずはW様邸の外観。平屋建てのかわいらしい印象の家ができあがりました。現状、外回りの様子が少しさみしいですが、外構工事はこれから行っていく予定です。
続いてリビングの写真です。化粧梁のあるナチュラルな雰囲気のリビングに仕上がりました。
リビングの一角は畳コーナーになっています。ごろりと寝転んだり、子供たちと遊んだりできるくつろぎのスペースです。
システムキッチンはタカラスタンダード製。タカラスタンダードの住宅設備はホーローの清潔さとメンテナンス性の良さが評価されて、数年前から人気があります。
続いてW様邸の洗面スペースです。W様邸は洗面スペースとランドリールーム(脱衣所)を別々に配置する独立洗面プランを採用しています。独立洗面プランは、家族の誰かが脱衣所を使っていても、気兼ねなく洗面台を使えるメリットがあり、アイワホームでも選ばれるお客様が増えています。
玄関から洗面スペースにつながる通路は土間収納になっています。家に帰ってきたら、靴、上着、かばんを片付けて、そのまますぐに手を洗う動線になっています。
ランドリールーム(脱衣所)。洗面スペースと別になっていると、落ち着いて脱いだり着たりできるような気がしませんか?
ニットバスもキッチンと同じタカラスタンダード製。
窓の緑がさわやかな子ども部屋。扉を付けない方が片付け力が身に付くという考え方があり、最近はオープン収納を選択されるお客さまも増えてきています。
◎土橋・K様邸(2階建て)
4月に行った上棟の様子をレポートします。
下の写真は上棟日の朝8時頃に撮ったもの。すでに1階の桁(けた)と梁(はり)が組み上がっています。
2階の床(1階の天井)ができあがりました。剛床工法という頑丈な構造用合板を床の下地材として使う工法で、昔ながらの根太工法と比べて地震に強い頑丈な家ができあがります(注文住宅では一般的な工法です)。
2階の梁と桁まで組み上がりました。上棟はその家の建築にかかわる多くの職人さん総出で行います。大工はもちろん、電気工事の職人、外壁工事の職人、板金の職人、プレカット工場のスタッフも参加します。多くが個人事業主で、集団行動が苦手なタイプの人間の集まりですが、上棟の際は絶妙のコンビネーションを発揮して、テキパキと仕事を進めてくれます。頼りになる仲間たちです。
2階の天井に構造用合板を貼っていきます。寒くもなく暑くもなく、この時期の上棟は気持ちいいですね。
2階天井の構造用合板の上にアルミ遮熱シートを貼っていきます。太陽からの輻射熱を99%遮断してくれるので、冷房のよく効く省エネの家になります。
屋根組みまで終わりました。白いヘルメットの男性はこの家の棟梁です。
野地板(屋根下地材)の上から防水シートを貼り終えれば上棟完了となります。
上棟完了後のK様邸(1)。
上棟完了後のK様邸(2)。手前の真新しい道路は開通直前の新居浜市国道11号バイパスです。
◎上原町・I様邸(平屋建て)
工事は順調に進んでいます。黒い外壁のカッコいい家ができあがってきました。
家の中の様子です。黄色い矢印の先の長方形の板は、壁の下地材をガッチリ固定するための補強材です。天井と壁が直角に突き合うこの部分は、壁紙がよじれたりはがれたりといった不具合がよく起きる場所です。壁紙のよじれやはがれは丁寧に施工しても起こってしまうものなのですが、できるだけ起きないようにひと手間加えています。
[補足]
壁紙のよじれやはがれは、地震の揺れが原因のケースもありますが、多くは家の構造材が乾燥して縮むことが原因です。そのためどれだけ丁寧に壁紙を施工してもよじれやはがれは発生します。完成して1年も経つと構造材の乾燥も落ち着くので、1年点検の際にまとめて補修するようにしています。
◎東雲町・I様邸(2階建て)
造成工事が終わり、基礎工事が始まりました。下の写真は第三者機関による配筋検査の様子です。
配筋検査から1週間後。基礎がきれいにできあがりました。
◎阿島・I様邸(平屋建て)
大規模な造成工事が終わり、いよいよ基礎工事が始まります。
下の写真は糸張りを施したI様邸の敷地。糸張りとは地面の上に糸を使って建物の設計図を描く作業です。下の写真をようく見ていただけると、地面の上に赤い糸が張られているのが確認できると思います。
基礎工事に入る前にI様のご主人が現場に来られて、簡単なお清め式をされました。下の写真の赤い円の中に白っぽいものが写っていますが、ご主人がまかれた塩とお米とお酒の跡です。
糸張りから10日後、防湿シートと捨てコンクリートの施工が終わりました。L字型の家なので基礎もL字型に作ります。まもなく配筋工事が始まります。
◎八幡・K様邸(平屋建て)
古家の解体工事が始まりました。
◎河内町・分譲住宅(2階建て)
どんな分譲住宅ができあがるか、楽しみにされているお客様がいたら申し訳ございません!注文住宅の施工が忙しくて、工事はまだまだ先になりそうです。
アイワホームの近況コーナー
◎岸の近況報告
先日、事務所前の草刈りを行いました。側溝と土間コンクリートの間のわずか数センチの隙間から野生の力たくましくグングン伸びてくるので、年に3回ほど草刈りをしなければならないのです。
(草刈り前の様子)
雑草に悩む方は多いとみえて、この時期、OBのお客様のところに行くと、花壇はもっと小さくてもよかったと言われたり、いい除草剤知りませんかと聞かれたりします。そんな雑草に悩む方にひとつアドバイスがあるのですが、ぜひ一度専用の道具を使って草刈りをしてみてほしいのです。
下の写真に写っているのは、上から順に、ねじり鎌、片手鍬、雑草抜きという道具なのですが、こういった専用の道具を使うと、スコップなどを使ってグリグリするのがばからしくなるほど作業がはかどり、その実力に感動し、さらに草刈りがちょっぴり楽しくなったりします。「人は道具を使うことで猿から進化した」という言葉もあります。楽しいと思えるかどうかは個人差がありますし、毎回使うと感動は薄れてくるのですが、使ったことがない方はぜひ一度試してみてください。想像以上に楽しい体験になるかもしれません。
草刈り完了。スッキリきれいになりました。
[先月書いた白華現象記事の補足]
先月のブログに書いた白華(はっか)現象の対処法について、もう少し補足しておきます。下の写真は数年前に当社が新築したお客様のお庭です。家基礎コンクリートと人工芝の間に真砂土・レンガを並べているのですが、このようにコンクリートと人工芝を密着させないようにするだけで白華現象が起こる可能性をかなり抑えることができます。参考にしてみてください。
◎髙瀨の近況報告
GWに松山の愛媛県美術館で開催されていた「MOZUミニチュア展」という展覧会を見に行ってきました。コンセントのカバーぐらいの小さなスペースに、驚くほどリアルで精巧な部屋やお店が作られていて、しかもキレイに片付いた空間ではなく生活感満載のリアルな空間が再現されているので、見ていて飽きることがありません。
ひさしぶりにモノづくりのすごさを目の当たりにして、大きさは違うものの、私も負けないように家づくりを頑張ろう!と元気をもらえました。
(続く)